サバイバルゲーム 名作選 | |
小林 | 来年の七夕まであと半年以上・・・。早く彦星に会いたいなぁ。 |
矢島 | 彼女の名前は織姫、ここ天の川の西岸で毎日を送っている。 知っての通り彦星に会えるのは毎年7月7日の一日限りである。 |
小林 | 地上ではクリスマスムードで盛り上がっているのに私達って一体・・・。 よ〜し!今日こそは逃亡計画を実行に移して絶対に彦星の元へ辿りついてみせるわ!! もういっその事、駆け落ちよ!! |
矢島 | まず天の川に辿り付くには、橋の近くに有る門をくぐらなければならない。 ただその門は織姫の父親である天帝の力により、硬く閉ざされている。 |
小林 | 今こそ修行の力を見せる時よ!え〜い!! |
矢島 | 織姫が渾身の力で繰り出した胴廻し回転蹴りにより、門は木っ端微塵に砕かれた。だがしかし・・。 |
小林 | ちょっと!門の先はまた門って何なのよ!お父様もこんな仕掛け作ってるんじゃないわよ!! ・・あれ?今度の門はカギ口があるわね。そして周りに飾られているのは赤ちゃんや老人の絵・・。 これって確か、・・・やるしかないわね。 |
矢島 | 織姫は童話「ばいおはざーど」で得た知識を元に、 乳児から老人の絵画に設置してあるスイッチを年齢順に押し始めた。 上空で待機している数十羽のカラス達は微動だにしない。 |
小林 | 「ゆりかごから墓場まで」っと。やった正解!カギを入手したわ!! 2つ目の門も開いたことだし、これで天の川を渡れるわね!!・・・って何これ? |
矢島 | 織姫を待つ最後の試練、鉄骨渡りっ・・・。 |
小林 | ちょっと!橋が細い鉄骨に変わってるじゃないの! 下に落ちたら「ハイそれまでよ」なのよ!お父様!! いくら彦星に会わせたくないとは言え、実の娘に対して仕打ちが酷すぎるわよ!! |
矢島 | ざわざわ・・・ |
小林 | 返事しろよクソ親父!!!風もめっちゃ吹いているし、 最初から死神が全力で辺りを旋回してるじゃないの!!! ・・流石にこれは無理ね、やっぱり私と彦星は七夕の日しか会えない運命なんだわ・・・。ああ・・・・・。 |
矢島 | 以上、これが日本に伝わる 「織姫逃避行防止」の物語である。 (「織姫と彦星」の物語である。) |
小林 | 史実破壊にも程があるわよ!!! |
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―株式会社オリエンタルラ○ド 社長室前にて― |
A | (はあ……。昨夜のエレクトリカルパレードに、 まさかサンリオのキャラクター達が乱入してくるとは…。 企画部長の立場として、「もっと革新的なパレードを創れ」 とは常々言ってきたが、あれはどう考えてもやりすぎだろ。 最近、業務を部下に任せっきりにしてたのがアダとなったか…。 まあ、ゴチャゴチャ考えてても仕方が無い。 潔く社長に事後報告して謝罪しよう…) (コンコン、ガチャッ) ……社長、失礼します。 |
B | おお、企画部長の平井君か。何やら昨日ちょっとしたアクシデントがあったようだが…。 |
A | はい…まさにその話なんですが、実はエレクトリカルパレードに、 ディズニー以外のキャラクターが来るという事件が起きまして…。 |
B | んんっ? どういうことだ? |
A | ですから…パレードにサンリオのキャラクター達が出演してしまって…。 |
B | サンリオのキャラクター? |
A | そうです。現場の社員の話では、キキララやけろけろけろっぴ、 それにハローキティも参加していたようです…。 |
B | ……ええっ!? |
A | 私の監督不十分で…すみません…。 |
B | き……、き……、 来ていいんちゃうの? (キティちゃんも!?) |
A | ダメでしょ絶対に!! |
それでは、エントリー作品をご覧ください |