ピッチ&チャップ 名作選 | |
P太郎 | 世界名作童話『赤ずきん』 昔々あるところに、赤ずきんという可愛らしい幼女がいました。 |
C次郎 | 幼女言うな。 |
P太郎 | ある日、赤ずきんはお母さんから森の向こうにあるおばあさん家へのお使いを頼まれました。 一人でおばあさん家に行くのは初めてだったので、地図を手に意気揚々と出かけていきました。 |
C次郎 | はじめてのおつかいってか。この子にとっちゃ大冒険だな。 |
P太郎 | 赤ずきんが森の中を歩いていくと、オオカミが 「お嬢ちゃん、何処へ行くんだい?」と話しかけてきました。 |
C次郎 | お、出たなオオカミ。 |
P太郎 | 赤ずきんが元気に「おばあさん家へお使いに行くの!」と言うと、オオカミは 「それだったら向こうの湖にある花畑で花を摘んでいくといいよ。 おばあさんはきっと喜ぶよ」と勧めてきました。 |
C次郎 | 赤ずきんちゃーん。ソイツは悪いオオカミだよ〜。言っちゃダメだよ〜。 |
P太郎 | 赤ずきんは早速花畑へと向かい、たくさんの花を摘んできました。 しかしここで大変なことが起きました。持っていたはずの地図を失くしてしまったのです。 |
C次郎 | あらら、そりゃ大変だな。 |
P太郎 | 慌てて近辺を探してみても地図は一向に見つかりません。 赤ずきんは仕方なく自分の勘だけを頼りにおばあさん家まで向かうことにしました。 しかし赤ずきんは方向音痴も災いして、どれだけ歩いてもおばあさん家に辿り着くことができません。 |
C次郎 | うーむ、心配だなぁ。 |
P太郎 | それでも赤ずきんは諦めませんでした。 絶対におばあさん家に行くのだと強い信念を持って一歩づつ歩いていったのです。 |
C次郎 | なんかすごい熱い展開になってきたな……。 |
P太郎 | 赤ずきんは歩き続けました。しかし一向におばあさん家には辿り着けません。 しかも長時間歩いたこともあり、疲労困ぱいの身体が悲鳴をあげてしまい、 赤ずきんは倒れてしまいました。 |
C次郎 | ……。 |
P太郎 | 赤ずきんの心は今にも折れそうです。 「ごめんねお母さん、おばあさん。私、もう疲れちゃったよ……」と諦めかけたその時でした。 目の先に見覚えのある家があるではありませんか! |
C次郎 | おおお!! |
P太郎 | 「やったー!やったー!」赤ずきんは豊満なボディを揺らしながら喜びました。 そうです!長い間道に迷っていた赤ずきんはとうとう Over30<Thirty>に老けたのです! (おばあさん家に着けたのです!) |
C次郎 | いや、どんだけ迷ってたんだよ!? |
C次郎 | 神様。お疲れ様です。 |
P太郎 | おお大天使ミカエル。ホントに地上観察は疲れるよねぇ。肩こるよ。 |
C次郎 | 地上の平和を守るためです、仕方ないですよ。 良い行いをした者には祝福を与え、悪いことをした者には天罰を与える。 そうやって今までやってきたのですから。それが神様の役目です。 |
P太郎 | まぁ、そうなんだけどねー。 でも私ってジッとしているの苦手だから尚更この仕事は好きじゃないんだよねぇ。 |
C次郎 | ほら、ブツクサ言ってないで、観察しましょうよ。私も手伝いますから。 |
P太郎 | はいはーい。 |
C次郎 | (望遠鏡で地上観察する) ……あ!神様!神様!大変です! |
P太郎 | どうしたんだ!どこかが戦争でも起こしたか!? |
C次郎 | 覗きです! |
P太郎 | ……は?……覗き? |
C次郎 | 女風呂を覗く不届き者を発見いたしました!どうしましょうか!? |
P太郎 | あ、あのさぁ……世界にはこれなんかより凶悪な事件が山程あるんだよ? ただでさえ仕事多いのに、こんなことでいちいち付き合ってられないよ。 ……それに私たちがやってることだって立派な覗きじゃん。 |
C次郎 | 何をおっしゃるのですか!覗きだって立派な犯罪なんですよ!? こんな奴らが乙女たちの純情を汚すんですよ!最低の糞野郎ですよ!即刻罰するべきです! あと、私たちがやっている観察とあんな奴の覗きを一緒にしないでください! |
P太郎 | わ、わかったからものすごい形相で私を睨みつけないでくれ! とりあえず今の状況を私にも確認させてくれ……。 |
C次郎 | どうぞ。直接見て処罰を検討してください。 |
P太郎 | (望遠鏡で地上観察する) ……あー、なるほど。10代半ばの女の子を覗いているのか。 結構な数がいるからおそらく修学旅行生あたりか……。 うーむ、流石に10代半ばとなるといい感じのおにゃの子ばっかりでいいなぁ。眼福だね。 うわっ、この子オッパイ大きい!おお、あの子なんてモロ私の好みだよ、しかもいい身体してるし! あ、あの子。胸の小ささを気にして顔真っ赤にしてる!キャワイイなぁ〜萌えるなぁ〜!! うーむ。確かにこれはけしからんな、二重の意味で!! |
C次郎 | 神様、いかがでしょうか? |
P太郎 | うん……こりゃ見てて飽きない! (こらしめてやりなさい!) |
C次郎 | 感想なんか求めてねぇんだよ、この変態! |
P太郎 | なんか調子悪かったから念のために医者に診てもらったら、まさか重い病にかかってるとはな。 相方にはなんて言ったらいいのかなぁ?本当のこと言ったらアイツ、卒倒しちゃうかもなぁ。 しかし後々のためにも話さないわけにはいかないもんなぁ。うーん……。 |
C次郎 | どうしたんだよ、一人でブツブツ言っちゃってさ。 |
P太郎 | あ、いや、特に何もないよ! |
C次郎 | そう?だったらいいけど。 そんなことよりも次のボキャ恵のネタなんだけどさ、こんな感じでやってみない? 台本考えてきたんだけど。(台本を渡す) |
P太郎 | おう、読むわ。(読む) ……うん、コレ結構いいと思うよ。このネタなら良い評価もらえそうかも。 |
C次郎 | そうか!じゃあ早速読み合わせしてみようか! |
P太郎 | あ!そ、その前に幾つか台詞を変えたいなぁ……。 |
C次郎 | いいけど、どこらへんを? |
P太郎 | このあたり。(台本に指さす) |
C次郎 | 「高田馬場の道場で合同練習するから」ってところ? |
P太郎 | うん。ここを「有楽町の公園にてみんな集まって練習するから」に変えたいの。 |
C次郎 | え、そこ?……別に変える必要ないと思うんだけど。 |
P太郎 | いや、変えないとアカンねん!頼むわ!堪忍してさかいな! |
C次郎 | なんでいきなり関西弁!?まぁ、別に変えてもいいけどさ……。 |
P太郎 | サンキュ♪あ、あと、ここも変えたいの。 |
C次郎 | えっと、「林檎をかじったら歯茎から血が出た…どうしよう?」ってところか? |
P太郎 | ここを「ナシを舐めくりまわしたら口内出血したよ……」って変えてほしいな。 |
C次郎 | そこまでして台詞を変える必然性が俺にはわからんのだけど……。 |
P太郎 | いいの!そっちの方ならきっといい点数貰えるから! |
C次郎 | まぁ、お前がそう言うなら変えるけどさぁ。……お前、今日なんか様子おかしいぞ? |
P太郎 | うっ!?な、なんのことかなぁ〜? |
C次郎 | どうも怪しいな……。特に何か喋りが変だ。 何があったかちょっと話してみてくれよ。俺にできることならなんでもするからさ。 |
P太郎 | 何も悩みもないって!ほっといてくれよ! |
C次郎 | ほっとけるかぁ!!! |
P太郎 | なっ!? |
C次郎 | 何年お前の相方をやってると思ってるんだ!? ピッチ&チャップは一心同体、お前が苦しんでいるところなんて見たかねぇんだよ! 一緒に頂点目指そうって決めたじゃないか!その為ならお前の悩みだって一緒に悩んでやるさ! |
P太郎 | ……。 |
C次郎 | なぁ、俺に話してくれよ!?一体お前の身に何が起きたんだよ!? |
P太郎 | ……゛(てんてん)言えないの。 (……全然異変ないよ。) |
C次郎 | どんな病なんだよ、それ!? |
それでは、エントリー作品をご覧ください |