いぶくろ 名作選
豚次男 まったく、兄さんは面倒だからワラで家を造るとか言ってるし。
やっぱ今の時代は木造じゃないと。どれどれ、弟はどんな家を造ってるのかな?
豚三男 おや、兄さんじゃないか?見に来てくれたのかい?
豚次男 うわぁ…なんかすごいな、この家は。
豚三男 どうだい、レンガで組み立ててみたんだ。
豚次男 よくこんなの造ったなぁ、お前。
豚三男 積み上げていくのが大変だったよ。
あと外壁も赤レンガ一色だと単調なんで、
白く塗ったレンガでボーダーを入れてみたりと工夫してみたんだ。
豚次男 いやー、この発想はなかったわ。オレには真似できないよ。
豚三男 そうかい?まぁ、結構こだわったんで苦労はしたけどね。
豚次男 すごい外見だな…TENGAを模してるんでしょ?
(すごい大変だな…レンガを乗せてくんでしょ?)
豚三男 いや、人の家から何を連想してるんだよ!?

黒川 姉とその甥っ子の話なんですけどね。
伊吹 唐突な入り方だな。
黒川 甥っ子はまだ10歳ぐらいなんですけど、なんか怪しい宗教の施設に出入りしているみたいで。
伊吹 へぇ、心配だねぇ。
黒川 それで「行くのを止めるように、一緒に説得して欲しい」って
姉さんに言われたんで、甥っ子に会ってきたんですよ。
伊吹 で、どんな感じだったんだ?
黒川 いやもう、すっかり熱心な教徒になってて、
「尊師様は素晴らしい!」「尊師様は救世主だ!」
なんて言って、こっちの話が全然入らないんだよ。
伊吹 なんでそうなるまで放っておいたんだよ!?
黒川 で、姉さんと二人で説得を続けたんだけど、あんまりしつこいんで、
甥っ子がキレて外へ飛び出しちゃったんだ。
伊吹 まぁ、ちょっと頭を冷やしたら戻ってくるだろうから、いいんじゃないか?
黒川 オレもそう思ったんだが、あいにくその日は午後から雷雨の予報で、
心配になったんで姉さんと二人で追いかけたんだ。
伊吹 大変だねぇ。
黒川 それで、すぐ捕まえたんだけど、やっぱり何を言っても全然ダメなんだよ。
それどころか「尊師様に触れてもらうと成績が良くなる!」
「尊師様の写真を拝むと好きな子と両想いになれる!」
「尊師様のセミナーに参加すると金運が上がる!病気が治る!」
とか言って、尊師様の話を熱く語り続けるんだ。
伊吹 もう重症だな、その甥っ子。
黒川 で、そうこうしている内に、姉が出家しちゃって。
               (雨が降ってきちゃって)
伊吹 いや、なんで小学生に説き伏せられてんだよ、お前の姉!!

司会 ナゴヤドームでのチャリティーライブ2DAYS!初日から大変盛り上がっています!
続いてのアーティストは、大黒摩季さんです!
大黒 どうも、こんばんはー!
司会 今日はナゴヤドームでのライブなんですけど、
大黒さんは普段スポーツとかご覧になるんですか?
大黒 はい、いろんなスポーツを見てますよ。
司会 そうなんですか。何か好きな選手とかいるんですかね?
大黒 …実は私の好きな選手が名古屋の球団にいまして。
司会 そうなんですか!?
大黒 はい、なので今日どこか出会えるのかも…と、ドキドキしています!
司会 ひょっとすると客席で観てるかもしれませんねぇ。
大黒 そうだと嬉しいんですけどねぇ。
司会 それでは大黒さんに歌ってもらいましょう!曲は『ら・ら・ら』です!
大黒 ♪〜
司会 あっ!客席にドラゴンズの選手が来てますよ!
大黒
♪和田〜、小田だ〜、平田〜、中田〜
(♪らら〜 ららら〜 ららら〜 ららら〜)
司会 あの中に大黒さんの好きな選手はいらっしゃるんですか?
大黒 ……。
司会 …大黒さん?
大黒
♪今日も明日も玉田に、逢えない…
          (あなた)
司会 いや、中日じゃなくてグランパスの方かい!
それでは、エントリー作品をご覧ください