ルクレチア 名作選 | |
水町 | おい、瓶底メガネ! |
神崎 | ………。 |
水町 | おい、お前だよ神崎ぃ。何シカトしてんだよー。 |
神崎 | ………名前で呼ばなきゃ、わからないよ。 |
水町 | ケッ、面白くねぇ奴。そーいや、お前友達いないよなー。 他の女子からもノケ者にされてんの、俺知ってんだぜー? |
神崎 | ………。 |
水町 | んだよ。そうやって本ばっか読んでっから、そんな分厚いメガネ掛けるようになんだよ! |
神崎 | ……目が悪いから、仕方ないでしょ。 |
水町 | お前、本当にムカつくな!じゃあそのメガネ取ったらなーんにも見えなくなっちまうよな! |
神崎 | っ!……や、やめてっ……! |
水町 | 何そんなに嫌がってんだよ!ずーっとメガネ掛けてるから、もう目と一体化しちゃってんのか? だったら、メガネ取ったら目玉も一緒に取れちゃうかもな!おら、よっっと!へっへー、メガネ取ーった!! |
神崎 | ……っ!……! |
水町 | ……?なんだよ、手で顔押えてちゃ声が篭って聞こえねぇよ。デッカイ声で言って見ろよ! |
神崎 | お願い……眼だけ返して……! (メガネ返して……!) |
水町 | うわああああ!?本当に目玉が取れたぁ!? |
水町 | 今日はオフ会という事で、普段はミクシイやスカイプで遊んでるみんなと集まってるわけなんだけど、 一人まだこないんだよなぁ。 一番仲良くしてくれてるユカちゃん、会うの楽しみなんだよなぁ。 声だけだと高校生くらいだけど、実は俺とタメ年で22だって言うし。どんな子かな? |
神崎 | あ、あの……オフ会の、方ですか? |
水町 | え?……あ、はい。 |
神崎 | よ、良かったー、合ってた……遅れて、ごめんなさい。ユカです。 |
水町 | ええ!?君が、ユカちゃん!?俺、ユキヒト!わかる!? |
神崎 | ユキヒトさんなんですか!? わー……想像してたより、ずっと落ち着いて見えたから違うかと思いましたよー! |
水町 | そ、そうかな。でもユカちゃんは……その。 |
神崎 | ……?なんですか? |
水町 | 何ていうか見た目の第一印象がさ、合法ロリだなぁ、って。 (想像通りだなぁ、って) |
神崎 | 失礼ですっ!! |
神崎 | ねえねえユキ君。今日の収録の後、一緒に帰ってもらえないかな? |
水町 | え?ああ、それはいいけどどうしたの? |
神崎 | それが、この間帰り道に変質者に会っちゃってね……もしまた出たら、と思うと怖くてさ。 |
水町 | 本当か、それ!?そう言う事なら一緒に帰るよ。 |
神崎 | ん、ありがと。 |
水町 | ユカに何かあってからじゃ遅いからな。で、どういう変質者だったんだ? |
神崎 | うん、見た目は普通のサラリーマン風だったんだけど、目が血走ってて息が荒くて、 舌を出しながら笑ってて……あと、ハサミを持ってて。 |
水町 | 怖っ!っつーか凶器持ってんの!? |
神崎 | うん。それで、私に刃物を突き付けて……! |
水町 | うわ、それ本気でヤバいじゃんよ?! |
神崎 | 「舌切ってくれないか?」って! (「下着売ってくれないか?」って!) |
水町 | 変態マゾ!? |
それでは、エントリー作品をご覧ください |