エルドラド 名作選 | |
飯田 | いやぁいつみても村田画伯の絵は素晴らしいですな。 |
村田 | いやいや、それほどでも |
飯田 | 村田画伯は常識のとらわれない発想と独特の色彩感覚をお持ちで、 周りから色彩の魔術師とまで言われてますが。 |
村田 | いえいえ、世間の皆さんがそう言ってるだけで自分はいたって普通ですが。 |
飯田 | いえそんな事はないでしょう。この絵だって海を淡い紫色で表現して、 でもそれが哀しさを表現してるというか。 |
村田 | いや、どうしても紫をそこに塗りたくなっちゃうんですよね。 常識では変わっててもどうしてもキャンバスのあそこにあの色を塗りたいって衝動に駆られるんですよね。 それが自分の独特さなのかもしれません。 |
飯田 | そうですか。あっ、あれは先生の新作ですか? |
村田 | えぇ昨日完成したんです。まだ乾いてないと思うんで直接触らないでくださいね。 |
飯田 | ほぉこれが新作ですか。これも素晴らしいですねぇ。 |
村田 | そんな事ないですよ。 |
飯田 | いやいやご謙遜を・・・。風景画ですかぁ。一面の野原と広々とした空、良い絵だなぁ。 特にこの空の色がとにかくいいですねぇ。 |
村田 | ありがとうございます。 |
飯田 | これチューブから直接キャンバスに塗ってますねぇ。塗り方まで変わってますねぇ。 |
村田 | そうですね、ちょっとやってみたくなっちゃって。 |
飯田 | この緑と言うか水色と言うか、俺はこの色好きだなぁ。この色どうやって作るんですか? |
村田 | クリアクリーンです。 (黒やグリーン) |
飯田 | ハミガキ粉!? |
飯田 | いや〜我がエル・ド・サーカスの人気がうなぎ上りなのも空中綱渡りの君が来てくれてきたおかげだよ。 |
村田 | ありがとうございます。社長。 |
飯田 | しかし、普段は若手アイドルとか若い女優に妄想しかしてない君が いざ本番になると綱の上ですごいパフォーマンスを繰り広げるからすごいよなぁ。 |
村田 | いや、それがプロってもんですよ |
飯田 | そうか、しかし空中綱渡りって怖くないのかね。君は演技中、下にマットもネットも敷かないだろう。 |
村田 | そうですね。確かに怖くないって言ったら嘘になります。 でも、必要なのは精神力です。 |
飯田 | 精神力かね? |
村田 | そうです。もちろん平衡感覚やテクニックなどは必要ですが それ以上に必要なのは高さに打ち勝つ心、そしてあとはひとつの事を思う集中力です。 この2つがあれば空中綱渡りはそう難しくないんですよ。 |
飯田 | そんなもんなのかね。 |
村田 | そうですよ、実際、綱渡りしてる時、 自分は志田未来でイキかけてるだけですし (「下見ない」って言い聞かせてるだけですし) |
飯田 | どういう精神状態で綱渡りしとるんだね!?君は! |
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Trrrr・・・ガチャ・・・ |
飯田 | はい、飯田ですが。 |
村田 | あっもしもし、お父さん?私・・・ |
飯田 | あぁ恵か、どうした? |
村田 | お父さん、今日はありがとうね、彼に会ってくれて。 最初はどうなることかと思ったけど、お父さんも彼と一応、会話はしてたみたいだし。 それに最後に彼がちゃんと「恵さんと結婚させてください!」って言ってくれたし、すごい幸せ。 私、彼と結婚して絶対幸せになるからね!! |
飯田 | その事なんだが、恵・・・本当にアイツでいいのか? |
村田 | なによ父さん、彼にどこか不満でもあるの? |
飯田 | いやまぁお前が決めた男なんだから反対もしないし、真彦くんだっけ・・・ 彼がすごい一流会社に勤めてるのはわかるんだけど、正直に言うと色白でガリガリで見てくれは良くない。 おまけになんかネクラそうで変態っぽくてどこか頼りない感じがするんだよ。 あんな男が旦那で大丈夫なのか? |
村田 | 何を言ってるのお父さん、大丈夫よ。男は顔じゃないわ、あの人、いざとなったらすごいのよ。 あぁ見えて私の彼、亀甲縛りできるのよ。 (結構しっかりしてるのよ) |
飯田 | 基準はそこか! |
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