モノクローム 名作選

【SHAKE/SMAP】
黒田 oh… 渋滞のタクシーも
oh… 進まなくたって イライラしない yeah!

レイク レイク 無人の契約機
(シェイクシェイクブギーな胸騒ぎ)

ここで借り 返すよ日々のツケ
(チョーベリベリ最高ヒッピハッピシェイク)

収入・貯金はまるで無く 明日また借りるや
(シューシュー星が流れてく あしたからハレルヤ)

負債また増えるや
(ふたりならヤレルヤ)
白川 泥沼!


―――昭和某年、夏。

〔ゴロゴロゴロ……〕
白川 やっと参加できる年齢になって…初めて上京して…
ついに来たんだ、「アメリカ横断ウルトラクイズ」の予選会場・後楽園球場に!
ここから僕のアメリカンドリームが始まるんだ!!
……でもなんだか空模様が悪いなあ。何か不吉な予感が……
ええい、とにかくまずは1問目の解答だ。○か×を選んで中に入らないと。



〔ゴロゴロゴロ……〕
白川 こっちを選んだけど正解でありますように!1問目でいきなり敗退はシャレになんないもんな。
とにかく正解発表が待ち遠しいや。早く始まらないかな…。
……しかしそれにしてもヤな天気だ。空が真っ黒だよ…。
(歓声) (……ワー!ワーワー!ワーワーワー!)
黒田
(福留)
〔グラウンドに現れ、司会の壇上に上がる〕
白川 あっ!やっと司会のトメさんが出てき――

〔ピカッ!ゴロゴロドカーーーーン!!!〕
白川 うわぁーーー!!!か、か、雷がすぐそこに…スタッフの人たちに直撃したぞ!?
黒田 死んだー!15〜6名息絶えた―――!
(みんなー!ニューヨークへ行きたいかー!?)
白川 言ってる場合かよ!!

黒田 〔ウイスキー「ジョニー・ウォーカー・赤ラベル」をクイーッと飲み干す〕
白川 あら、お客さんいい飲みっぷりね。
〔ぷるるん〕
黒田 フッ、早く忘れちまいたいことがあってね。
白川 あら、お酒の力を借りて嫌なことは忘れようっていうの?
〔ぷるるん〕
黒田 フン、そんなん俺の勝手だろ。…次は黒だ、ジョニ黒をストレートでくれ。
白川 はいはい。〔トクトクトク…と「ジョニー・ウォーカー・黒ラベル」を注いで差し出す〕
でも一人で嫌なことを抱えたまま飲み続けて悪酔いするくらいなら私に打ち明けてみない?
愚痴くらい聞いてあげるわよ。
〔ぷるるん〕
黒田 ………。〔ゴクッ、ゴクッ…〕
白川 ………。
〔ぷるるん〕
黒田 〔トン、とグラスを置く〕
……女と別れたんだ。
白川 そう。
〔ぷるるん〕
黒田 自分で言うのもなんだがいい女だったんだぜ。美人で、モデル体型で、胸もでかくて…Fカップだ。
そんなアイツとデートを重ねて、キスまでいって。
白川 あら、なんだか妬いちゃうわね。
〔ぷるるん〕
黒田 そこまできたらもう、その、なんだ、先へ行きたくなるじゃないか。
それでこの前、終電を逃した彼女を「今夜はウチに泊まってけよ」って俺ん家に上げてさ、
いい感じになったから「(この雰囲気なら…いける!)」と思って、キスしながらそっとおっぱいに触ったら
急に態度が一変してさ、「私はそんな簡単に許すような軽い女じゃないの、さよなら!」って。
それから会ってくれないし電話やメールも拒否られるようになっちまってわけさ…。
白川 そう、そんなことがあったの…。
〔ぷるるん〕
黒田 だからさ、ママ、〔グラスの残りをグイッと飲み干す〕
今日は一晩俺に付き合ってくれよ。
白川 …いいわ、付き合ってあげる。それじゃ次は何がいいかしら?
〔ぷるるん〕
黒田 そうだな………ママのおっぱい揉みたいな。
          (赤をもっかい飲みたいな)
白川 帰れ!
〔ぷるるん〕


♪カランコロンカラン
〔黒田、入店する〕
白川 いらっしゃ……あっ。
(こいつ…あの時「おっぱい揉みたい」とか言って来た奴!)
黒田 ………。
白川 ………。
黒田 〔黙って席に座る〕
……ジョニ黒のストレート。
白川 〔黙って注ぐ〕
……はい。
黒田 ………。
〔ゴクッ、ゴクッ…〕
白川 ………。
黒田 〔トン、とグラスを置く〕
………。
白川 ………。
黒田 ………ママ、この前はごめん。
白川 な、なあに、急に。
黒田 あの日の俺はどうにかしてたよ。この店に入ってママのことを見て、
最初に感じたのはあんなことじゃなかったんだけど酔った勢いで変なことを……。
白川 ………。
黒田 俺って口下手だからさ。ママに伝えたい気持ち、コレに書いて来たんだ。後で読んでほしい。
〔一通の手紙を差し出す〕
白川 あっ…、え、えっと…。
黒田 …それじゃ、釣りはいらないから。
〔お金を置いて出ていく〕

♪カランコロンカラン
白川 あ、ありがとうございました…。

〔そして白川、帰宅〕
白川 これ、いったいどんなことが書いてあるのかしら…?
〔手紙を開封する〕
(手紙) ママヘ。この前は「ママのおっぱい揉みたいな」なんて言ってごめんなさい。
あの時は巨乳の彼女に振られたショックでどうかしてたんだ。
愚痴を言うにしてもあの発言はないだろうと自分でも思う。

でもあなたが俺にとって魅力的な女性だということは本当だと言える。
あの日以来、俺の中であなたの存在がどんどん大きくなっています。

―――――………
白川 な、なによバカ……。
でも悪い気はしないかな……。
(手紙) ………―――――

今度、「店のママと客」ということじゃなくて、一組の男女としてデートをしませんか?
俺はこれを機にあなたと本気のお付き合いを……とさえ考えています。
白川 やだ、そんな…。〔ドキドキ〕
(手紙) 秋も深まり、葉っぱも紅葉して人恋しくなるこの季節、
俺はあなたの乳を揉みしだきに行きたいです。
   (あなたと一度もみじ狩りに行きたいです。)
白川 〔ビリビリビリッ〕
結局はそれか、あのおっぱい星人が!!!
〔ぷるるん〕
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