蝶戦車 名作選
森下 殿、食事の準備ができました。
川道 おおそうか、ご苦労。
森下 今日は良い鮎が手に入りまして、塩焼きにて調理致しました。
川道 おお、それは楽しみだ!
森下 (全くこの殿は…、今からでも隣国が攻めてこようかという時に、悠長に食事とは …。)
南城 殿!大変でございます!!
川道 なんだ、わしは今食事中だぞ。
南城 はっ、申し訳ございませぬ!しかし、敵国が隣国と同盟を組み、
延べ5万の軍勢を率いてこちらへと攻め込んで参りました!
森下 殿…、これでは勝ち目がございませぬぞ。南城殿、援軍は要請致したのか?
南城 はっ、要請を出したのですが、わずか8000の兵のみ…。
森下 8000人か…、わが軍の兵力を合わせても3万…。もっと援軍がやってくるかと思っていたのだが、
遂にわが国も見限られたのだろうか…。
川道 …塩分が足りないな。
(援軍が足りないな。)
森下 悠長すぎるんだよ!!

森下 ・・・。
南城 課長、どうされたのですか?
森下 あ、あぁほら、先日までこの課にいた角田君の事が気になってねぇ…。
南城 確か営業先で大声を出してトラブルになって、事務課に異動になったみたいですね。
事務の仕事が落ち着いて出来ているか、確かに心配ではありますね。
森下 それで、川道君に様子を見に行ってもらっているんだけど。
川道 課長、戻ってきました。
森下 おぉ川道君、角田君の様子はどうだった?
川道 やはりまだ慣れていないという事もあるからでしょうか、
この伝票はどう処理すればいいのか、外からの電話はどこに繋げたらいいのか分からず、
事務所内で「ウオー!!ガオー!!」言って、暴れてました。
        (右往左往して、慌ててました)
森下 死人でるぞ…。

南城 こちらの掃除が終わりましたら、そちらに行きますので。
川道 ねぇ、南城さん。
南城 あ、川道さん、どうされたのですか?
川道 いやね、ご主人様が後で南城さんと一緒に私の部屋に来てくれないかって。
南城 何をするつもりなのかしら…?
川道 ちょっと相談があるみたいよ。ここ最近いろんな事で悩んでいたみたいだし。
南城 そういえば、あまり他のメイドさんとも仲が良くない感じがしますわね。
川道 私達ぐらいしか、親しくしていなさそうだからね。さ、行きましょう。
森下 あぁ、来てくれたか…。
南城 ご主人様、いかがなされましたでしょうか?
川道 先程は、何かご相談があると…。
森下 うん、まぁ…、こんな事を言うのも恥ずかしいと言うか情けないと言うか…。
どうも君達以外のメイド達が、私の事を嫌っているみたいなのだ。
南城 はぁ…。
森下 そこで、昔から私の家で働いてもらっている君達に、私のどこがいけないのかを言ってもらいたいのだ。
川道 え!?そんなご主人様に対して…。
森下 いや、正直に言ってもらいたいのだ…。その方が今後の為にもなるし、
君達もこのような環境では働き辛いだろうし。
南城 川道さん…。
川道 ………。
森下 多少の事はある程度は自覚している。さぁ、遠慮なく挙げてくれたまえ。
川道 では…、50位から41位!カウント〜ダウンッ!
     (ご主人様、よろしい…?)
森下 そんなにあるの!?
それでは、エントリー作品をご覧ください